コラム

理解しておきたい、募集要項や給与の見方

就職先を選ぶ際に必ず目を通す給与欄や勤務時間が記載された募集要項。
皆さんは記載されている言葉の意味を理解して見ることができていますか?
知らない言葉に戸惑ったり、何となく理解したつもりになってはいませんか
就職した後、「こんなはずじゃなかった!」とならないためにも、就職先となる企業の情報はしっかりと理解をしておきましょう。
今回は募集要項の中でも、【業種、職種・労働時間・休日・給与欄・福利厚生】について解説をしていきます。

業種・職種の違いは?

就活中によく耳にする「業界研究」や「業種・職種未経験歓迎」の文字。似ているように見えて異なる業種と職種の意味についてお伝えします。

業種(業界)とは

その企業が取り扱う、製品・商材・サービスという事業の種類によって分類されています。
例えば、「不動産業」「建設業」「金融業」「人材業」「サービス業」といったものが挙げられます。

職種とは

企業に属する個人が行う業務内容による仕事の種類です。
例えば「営業職」「企画職」「事務職」「開発職」「販売職」などが挙げられます。

仕事を業種、職種で表現すると以下のようになります。
・◯△◇ホテルで働くフロントスタッフ
→「サービス業(業種)の接客職(職種)」
・◯△◇ホテルのお金に関する業務を担当しているスタッフ
→「サービス業(業種)の経理職(職種)」
◯△◇ホテルに自社のウォーターサーバーを納品している△◇会社の営業マン
→「メーカー(業種)の営業職(職種)」

他人とコミュニケーションをとるのが好きという理由で営業職(職種)を目指す人も多いと思います。
しかし、営業職(職種)といっても、業種によって売る商品、お客さん、営業スタイルが全く異なってきます。
業種と職種の意味を理解し、自分がやりたい業種、自分に合った職種は何なのかを知った上で就職先を決めていく必要があります。

「労働時間」について

労働基準法で労働時間は、1週間40時間、1日8時間以内、8時間以上働く場合は、休憩時間を1時間以上与えられるよう法律で定められています。
近年、働き方改革により、個々の事情に応じた多用な働き方を選択できる取組みが行われていますが、労働時間の多様化もその一つです。今回は複数の労働時間制度についてご紹介したいと思います。

固定時間制度

多くの企業が導入している労働時間制度であり、
一日の始業と終業時間が決められているものです。超えた残業については「1時間あたり算定基礎額×0.25」として時間外労働手当(残業代)が支払われます。
募集要項の勤務時間欄に
【勤務時間 9:00~18:00】と記載の場合
勤務時間は9時間(休憩1時間含む)となります。

変形労働時間制

繁閑期によってその時期に合わせた、労働時間の調整ができるというものです。


労働基準法では、勤務時間は1週間40時間・1日8時間以内と定められていますが、
企業によっては繁忙期は仕事が定時に終わらず1日8時間を大きく超えてしまうこともあります。
その場合、変形労働時間制度を導入している企業は、閑散期の労働時間を短く調整するなどして、1ヶ月又は、1年の一定期間の労働時間が平均で週40時間を超えなければ、
その日、その週に法定労働時間を超えて働いても良しとされているものです。

繁忙期にがっつり働き、閑散期は早上がりや休暇を入れたりすることもできるためメリハリのある、効率の良い働き方ができます。

フレックスタイム制

総労働時間の範囲内で、従業員が自ら日々の始業・終業時刻を決めることができる制度です。

フレックスタイム制を導入している企業の多くが、必ず勤務しなければならない「コアタイム」と設定された時間内であれば自由な出社・退社が良しとされる時間帯「フレキシブルタイム」を設けて運用しています。
都合に合わせて、プライベートと仕事とのバランスがとりやすいことがメリットとして挙げられます。通勤ラッシュの満員電車を避けて出社できたり、仕事量に合わせて勤務時間も調整できるのは魅力的でよね。

 

休日・休暇「完全週休2日制」「週休2日制」違いとは

休日・休暇の項目で見かける「完全週休2日制」「週休2日制」の表記。一見同じ様にも見えるつの言葉、意味の違いをみなさんは理解していますか?

完全週休2日制

「毎週必ず2日休みが与えられますよ」という意味。ただし、「完全週休2日制」でも以下2つで意味が異なるため気を付けてください。

・完全週休2日制(土・日)、祝
→休みは土曜と日曜と祝日、全て休み

・完全週休2日制(土・日・祝)
→祝日がある週は、祝日+土日のどちらかが休み

週休2日制

週に2日休みの週もあるけど、時々週1日休みの時もありますよ」というもので、“時々”の頻度は企業によって様々です。
月に1回~2回土曜日出勤が定められている企業もあれば、四半期に1回の企業もあります。募集要項に詳細が書かれていない場合でどうしても気になる方は面接などで確認したり、年間休日の日数からも大体の予想をしてみましょう。

給与の見方

給与蘭でよく見かける「額面」の文字。これは何を意味しているのでしょうか。
額面給与とは、基本給に残業代、交通費や手当などを合計した金額です。額面給与は税金や保険といった控除項目が何も引かれていない状態となるため、この額面給与から控除が引かれたものが、手元に入る「手取り金額」になります。
※控除:給料から天引きされるもの健康保険、厚生年金、所得税、住民税など。
年齢によって加入義務が発生したり、会社によって労働組合や退職金の積立金などで違いがあります。

実際に手元に入るのは控除分を引いた、手取り金額であり額面給与と比較すると低い金額になります。控除で引かれる金額は約2割と考えるといいでしょう。

福利厚生について

福利厚生とは、企業が従業員に提供する給与以外の報酬・サービスのことです。
住宅手当や交通費など、給与にプラスして経済的な保障をしたり、従業員のモチベーションアップのため、金銭以外のサービスを提供するものもあります。
では、福利厚生の具体例を見てみましょう。
福利厚生は法律で定められている「法定福利厚生」と、企業が独自に定める「法定外福利厚生」の二種類に分類されます。

法定福利厚生

「法律で義務付けられた」福利厚生

  • 健康保険
  • 厚生年金保険
  • 介護保険
  • 雇用保険料
  • 労災保険料
  • 子ども・子育て拠出金

法定外福利厚生

「法律に関係なく企業が独自に設けることのできる」福利厚生

  • 住宅手当、家賃補助
  • 交通費
  • 家族手当健康診断補助
  • 資格手当
  • 社宅
  • 役職手当
  • 社員食堂
  • 育児休暇
  • 介護休暇
  • 託児施設 etc.

先程もお伝えしましたが、福利厚生の目的は従業員の経済的支援とモチベーション向上にあります。上記以外にも種類は多種多様であり、法定外福利厚生についてはどのような制度を導入するかは企業の自由です。
最近では親の誕生日は休日を許可する親孝行支援や勤務中の飲み物や軽食を無料支給する制度、失恋した際に心を癒すための時間として失恋休暇などユニークな福利厚生を導入している企業も続々と増えてきています。

 

以上、募集要項できになる項目をいくつか紹介をしてきましたがいかがでしたか。書かれている言葉の意味を理解して、企業選びの参考にしてください。ただし注意点として、今回お伝えした募集要項欄だけで就職先を判断してしまっては危険です。インターンやOB訪問を通して企業の目には見えない雰囲気や社員の働き甲斐にもしっかり触れてください。その上で給与面、福利厚生に対しても納得がいく企業に出会えるといいですね。

 

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