インターン対策

有給インターンにも103万円の壁はある?注意点や特徴を解説します

インターンには短期や長期・給与の有無など、いくつかの種類があります。その中でも今回は、給料が出るインターンシップについて紹介したいと思います。

「なぜインターンで給料がでるの?」
「アルバイトとは何が違うの?」
「長期の有給インターンでも103万円の壁はある?」

そんな疑問を解消できるよう、有給インターンを実施する企業側の思惑と、参加する上での注意点について解説します。

インターンに参加する意味とは

有給インターンの説明に入る前に、まずはインターンへ参加する目的に立ち返ってみましょう。

インターンシップを一言で表すならば「就業体験」です。社会人になる前の学生が企業に参加して就業体験をすることで、さまざまな学びが得られます。

たとえばインターンを通じて、業界の特徴や業界同士の繋がりなど、社会に関する見識を広げられます。普段なにげなく購入しているお菓子であっても、それが店頭に並ぶまでには原料の仕入れから、製品の企画・製造・流通・販売に広告と、さまざまな過程を経ています。さらには、その過程の中で多くの企業が関わっており、普段目にすることのない舞台裏がたくさんあるのです。インターンに参加して、その舞台裏を少しでも知ることができれば、就職活動での視野が広がるはずです。

また、仕事を体験してみることで、自分が将来はたらく姿をイメージしやすくなります。特にこの「はたらく姿をイメージ」することは、就職活動において大切です。

「はたらく姿をイメージする」とは?

就職活動は、自分の人生の分岐点となる大切なイベントです。しかし最近は、せっかく新卒で入社しても3割の人が3年以内に離職をしてしまうそうです。

できることなら、良い会社に長く勤めたいですよね。なぜ3年以内に離職をしてしまうのか、その理由は会社とのミスマッチが大きな原因と言われています。

「自分がやりたい仕事と違った」「やりがいを見出せそうにない…」というように、実際の仕事と自分の思い描く仕事のズレが大きいと、ミスマッチ離職につながりやすいです。

実はこの問題は、就職活動の軸をしっかり持って就活に臨むことで、会社とのミスマッチが生じるリスクを抑えられるのです。ちなみに「就活の軸」とは「理想の働き方にまつわる判断基準」のことをいいます。

あわせて読みたい:【就活の軸】決め手は中心価値と周辺価値!就職活動で役立つ2視点

この就活の軸を考えるにあたって、迷ってしまう学生は多いのではないでしょうか。自分の将来について考えるのですから、真剣に取り組むほど迷いがちです。そんなときはひとまず、会社や仕事に対する理解を深めるとよいでしょう。ここで役に立つのが、インターンシップなのです!

たとえば、参加したインターン先で営業を経験したり、企画に携わってプロジェクトを進めたりという経験をすれば、きっと将来自分がはたらいている姿をイメージできるはずです。自分の考えた「理想の働き方」とギャップはないか?「○○がしたい」という軸は実現できそうか?今一度、軸を見直すいい機会になります。

ここまでの内容のまとめ

・会社とのミスマッチを防ぐには、就活の軸を持つことが大切

・就活の軸を持つためには、会社や仕事に対する理解を深める必要がある

・会社や仕事に対する理解を深めるためには、実際に仕事を経験できるインターンへの参加が1番!まずはその経験から「自分のはたらく姿」をイメージしてみよう

給料が出るインターンとは?

マイナビやリクナビなどの大手求人サイトからインターンを探すと、無給のインターンがほとんどです。しかし、条件を絞って探すと報酬ありのインターンがあったり、別の求人サイトでは有給インターンのみを専門的に紹介していたり、有給のインターンも少なからず実施されています。

この有給インターンは長期のインターンに多く、ベンチャーや中小企業がよく実施しています。インターンに参加する人数は数名程度と少なく、「週に3日ほど14時から働く」といったスケジュールを組める場合が多いようです。企業の一員として就業し、お給料を頂けるので、アルバイトの代わりに参加する学生もいるそうですよ。

ではなぜ、企業側はアルバイトではなくインターン生として、学生を受け入れるのでしょうか?企業側の意図について紹介します。

有給インターンを実施する企業の意図とは

企業がアルバイトではなく、インターンとして学生を受け入れるのには、主な理由が3つあります。

(1) 企業や業界に関心のある人を集めたい

長期インターンに参加する学生は、「自分が目指している業界で役立つスキルを身に付けたい!」と目的を持っていることが多いようです。そういった学生が、スキルアップ目的で企業へ参加してくれるとなると、熱心に仕事へ取り組んでくれることが期待できます。また、目的を持って仕事に取り組む人は知識の吸収が早く、戦力としても期待できるのです。

(2) 新しい発想につなげたい

大学は研究機関であり、知識の宝庫でもあります。そこで知識を得た学生は、最新の情報を持っている場合が多いのです。技術進歩の著しいITだけでなく、医療やマーケティングなどのさまざまな分野で、10年前にはあまり知られていなかった知識が多くあります。企業側は学生をインターンとして受け入れることで、その学びたてホヤホヤの知識を積極的に活用して欲しいと考えています。また、若者特有のフレッシュな発想から、社員だけでは思いつかなかったアイディアや企画が出てくることも期待できるのです。

(3) 優秀な人材を早期に採用したい

長期間にわたって一緒にはたらくことで、企業•学生ともに理解が深まります。企業側は、採用試験だけでは知り得ない、学生の業務適正や性格を知ることができます。学生側は、業務内容や職場の雰囲気を知ることができます。こういった相互理解があり、双方とも納得ができれば、そのまま内々定というケースもあるようです。入社前にインターンで業務経験をしているため、即戦力としての期待もできます。

以上のように、長期インターンは学生だけではなく、企業にとってもメリットがあるのです。

有給インターンに参加するときの注意点

インターンとはいっても給与が発生するため、注意すべき点がいくつかあります。それは「103万円の壁」と「130万円の壁」です。アルバイト経験のある方は聞き覚えがあるのではないでしょうか。この2つの壁について、大まかに説明します。

103万円の壁

税法上、多くの学生は親に養われている「扶養家族」に区分されます。あなたが扶養家族になっていることで、親が納める税金が軽減されている状態です。この制度を扶養控除と呼びます。

覚えておきたいポイントは、給与が年間103万円を超えてしまうと、親の税負担が増えてしまうということです。時給がそこそこよく、やりがいもある長期インターンでは効率よく稼げるかもしれませんが、この103万円の壁を超えてしまいそうな場合は、親とよく相談しましょう!

具体的にどれくらい軽減されているの?

基本的な扶養控除額は[所得税控除38万円][住民税控除33万円]です。しかし大学生の場合、”その年12月31日現在の年齢が19歳以上23歳未満の人”という定義に当てはまる人が多く、特定扶養親族の[所得税控除63万円][住民税控除45万円]を受けることができます。

インターンやアルバイトなど、給与の合計が年間(1月から12月分で)103万円を超えなければ、 この扶養控除が受けられるのです。ちなみに、いくら税金が安くなるのかは、親の収入によって変わります。

所得税の計算
所得税額 = (所得金額(A) - 所得控除額(B)) × 税率 – 税額控除額(C)

住民税の計算
所得割額 =(所得金額(A) - 所得控除額(B)) × 税率(10%) – 税額控除額(C)

扶養控除は(B)の部分に入ります。つまり、[63万円 x 所得税率 + 45万円 x 10%]の分だけ、税金が軽減されるのです。所得税が20%の場合だと、約17万円です。

130万円の壁

103万円の壁を超えてしまうと、親の扶養から外れるだけではなく、本人も税金を払う必要が出てきます。しかし、学生の場合は、勤労学生控除制度を利用することができるため、勤労学生控除27万円がプラスされて130万円までは本人の税金が免除されているのです。この130万を超えてしまうと、自身にも所得税・住民税が掛かるうえ、社会保険も自分で支払うことになるため、一気に負担が増えてしまいます。

「長期インターン先から内定をもらったから、そのまま卒業までガッツリ働きたい!」という場合でも、大学3年の1月~大学4年の12月までの期間は130万円を超さないように注意しましょう。

自分に合ったインターンへ参加をしよう

長期インターンは、アルバイトの代わりにもなるし、仕事を通して自身のスキルアップもできるし、そのまま内定につながるかもしれないから魅力的!と思う方も多いのではないでしょうか。しかし、長期インターンのみの参加には注意が必要です。

こんな場合は短期インターンを活用しよう!

「まだ何の仕事に就きたいのか分からないので、多くの企業の仕事を体験したい!」

という学生は、短期のインターンシップへ複数回の参加がおすすめです。いろんな業界や企業に飛び込んで、多くの社会人と語らうなかで、自分自身の視野を広げて、働く価値観を見つけるきっかっけにしましょう。企業・業界研究に役立ちます。

こんな場合は長期インターンを活用しよう!

「やりたいことが明確で、リアルな仕事を通じて、自分自身の能力を伸ばしたい!」

という学生は、長期のインターンシップへ参加がおすすめです。実際に社会人と一緒に働きながら、将来目指す社会人像に対して、今の自分に足りない技術や能力、考え方が何なのかを発見し、自分自身の強みを再認識するきっかけにしましょう。自己分析に役立ちます。

つまり、まだ何の仕事に就きたいのか分からない状態であれば、複数の短期インターンへ参加してみて、業界や企業についての理解を深め、視野を広げるところから始めるとよいでしょう。そのうえで、やりたいことが定まってきたら、長期インターンへ参加してスキルアップができればベストです。

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